OpenClawの始め方|インストールから初期設定まで完全ガイド
GitHubで14万スターを超え、AIエージェント分野で大きな注目を集めているOpenClaw。SNSやテック系メディアで名前を見かける機会が増えた一方で、「面白そうだけど、実際どう始めればいいのかわからない」という声も多く聞かれます。
本記事では、OpenClawをゼロからインストールし、初期設定を終えて最初のメッセージを送るところまでを、ステップバイステップで解説します。OpenClawの概要や注意すべきセキュリティリスクについては前回の記事で詳しく取り上げていますので、まだ読んでいない方はそちらもあわせてご覧ください。
OpenClawとは?──30秒でわかる概要
まず、OpenClawの基本を簡潔に整理しておきます。
OpenClawは、Peter Steinberger氏が中心となって開発しているNode.jsベースのオープンソースAIエージェントです。GitHub上でのスター数は約14.5万に達しており、オープンソースAIエージェントとしては最大級のコミュニティを持っています。
最大の特徴は、20以上のメッセージングチャネルに対応していることです。WhatsApp、Telegram、Slack、Discord、Instagram、Facebook Messengerなど、日常的に使われているプラットフォームとAIエージェントを接続できます。さらに、すべてのデータ処理をローカルマシン上で実行するため、会話の内容がクラウドサービスに送信されることがない点も大きな魅力です。
つまりOpenClawは、「自分だけのAIアシスタントを、好きなチャットアプリで使えるようにするツール」だと考えるとわかりやすいでしょう。
インストール手順──3ステップで完了
OpenClawのインストールは非常にシンプルです。以下の3ステップで完了します。
ステップ1:前提条件を確認する
OpenClawを動かすには、Node.js バージョン22以上が必要です。ターミナルで以下のコマンドを実行し、バージョンを確認してください。
node -v
バージョンが22未満の場合は、Node.jsの公式サイトから最新版をインストールしてください。なお、対応OSはmacOS、Linux、Windows(WSL2経由)です。Windows環境の方はWSL2のセットアップが事前に必要になります。
ステップ2:ワンライナーでインストール
前提条件が整ったら、ターミナルで以下のコマンドを実行するだけです。
npx openclaw
このコマンドひとつで、OpenClawのダウンロードとインストールが自動的に行われます。npm経由でグローバルインストールしたい場合は npm install -g openclaw でも構いません。
ステップ3:セットアップウィザードを起動する
インストール後、次のコマンドでセットアップウィザードを起動します。
openclaw onboard --install-daemon
このウィザードが、AIプロバイダーの設定やチャネル接続を対話的にガイドしてくれます。--install-daemon オプションをつけることで、バックグラウンドで常駐するデーモンプロセスもあわせてインストールされ、PCの再起動後もOpenClawが自動的に起動するようになります。
初期設定のポイント
セットアップウィザードでは、主に2つの項目を設定します。
AIプロバイダーの設定
OpenClawは、バックエンドのAIモデルとして複数のプロバイダーに対応しています。セットアップウィザードでAPIキーを入力するだけで接続できます。公式ドキュメントではAnthropic(Claude)が推奨されていますが、OpenAIやその他のプロバイダーも利用可能です。
APIキーは各プロバイダーの開発者向けページで取得できます。無料枠があるプロバイダーもありますので、まずは小規模なテストから始めるとよいでしょう。
チャネル接続
次に、OpenClawとやり取りするメッセージングチャネルを設定します。初めて触る方にはTelegramが最もおすすめです。BotFatherを通じてボットトークンを取得するだけで簡単に接続でき、セットアップの難易度が低いためです。
WhatsAppやDiscordなどの接続も可能ですが、それぞれ固有の設定手順がありますので、まずはTelegramで基本的な動作を確認してから他のチャネルに拡張する進め方がスムーズです。ウィザードには各チャネル向けのガイドが含まれていますので、画面の指示に従えば問題なく設定できます。
設定ファイルの場所
すべての設定は ~/.openclaw/openclaw.json に保存されます。ウィザード完了後に設定を変更したい場合は、このファイルを直接編集することもできます。ただし、APIキーなどの機密情報が含まれるため、取り扱いには注意が必要です。
SOUL.mdとAGENTS.md──AIの「人格」を定義する
OpenClawのユニークな仕組みのひとつが、SOUL.mdとAGENTS.mdというMarkdownファイルによるAIの振る舞い制御です。
SOUL.mdとは
SOUL.mdは、AIエージェントの基本的な性格・トーン・行動原則を定義するファイルです。たとえば、「丁寧な敬語で応答する」「技術的な質問には具体的なコード例を添える」「わからないことは正直にわからないと答える」といったルールを自然言語で記述します。
公式ドキュメントでは、SOUL.mdは簡潔に2ページ以内にまとめることが推奨されています。長すぎると指示が曖昧になり、AIの応答品質が下がる傾向があるためです。
AGENTS.mdとは
AGENTS.mdは、複数のペルソナ(役割)を定義するためのファイルです。たとえば、「カスタマーサポート担当」「技術顧問」「議事録係」といった異なる役割を定義し、チャネルやコマンドに応じて使い分けることができます。
個人利用であればSOUL.mdだけで十分ですが、チームや組織で活用する場合にはAGENTS.mdによる役割分担が便利です。
始める前に知っておくべきセキュリティの注意点
OpenClawは非常に強力なツールですが、それゆえにセキュリティ上のリスクを正しく理解しておくことが不可欠です。
OpenClawは単なるチャットボットではありません。シェルコマンドの実行、ブラウザの自動操作、メールの送信など、PCの様々な機能を自律的に操作できるエージェントです。つまり、設定を誤ると意図しない動作がPC上で実行される可能性があります。
安全に利用するために、以下の点を押さえておきましょう。
- Docker等の隔離環境で実行する:ホストマシンへの直接的な影響を最小限に抑えるため、コンテナ内での実行が推奨されます
- ClawHubスキルは慎重に選定する:ClawHub(プラグインストア)から追加するスキルは、信頼できる開発者のものだけを選びましょう。悪意あるスキルによって権限が悪用されるリスクがあります
- 既知の脆弱性に注意する:CVE-2026-25253などの脆弱性が報告されており、プロジェクトはまだ成熟途中です。常に最新バージョンにアップデートする習慣をつけてください
- 本番環境への接続は慎重に:業務システムやデータベースへの接続権限を安易に与えないようにしましょう
セキュリティに関するより詳しい解説は、OpenClawとは?|話題のAIエージェントの活用法と"知らないと危険"なセキュリティリスクをご覧ください。
まとめ:小さく始めて、可能性を体験しよう
ここまでの手順を振り返ります。
- Node.js 22以上を準備する
npx openclawでインストールopenclaw onboard --install-daemonでセットアップウィザードを起動- AIプロバイダーのAPIキーを設定する
- Telegramなどのチャネルを接続する
- SOUL.mdでAIの振る舞いをカスタマイズする
OpenClawはまだ発展途上のプロジェクトであり、破壊的な変更や予期しない挙動もあり得ます。しかし、AIエージェントが日常のコミュニケーションツールと統合される未来を体験する価値は十分にあります。
まずはTelegramで簡単な質疑応答を試すところから始めてみてください。セキュリティに注意しながら小さく始め、慣れてきたらチャネルを増やしたり、SOUL.mdをカスタマイズしたりと、段階的に活用の幅を広げていくのがおすすめです。
OpenClawが企業に浸透していく過程については、OpenClawは企業にどう浸透するか?で詳しく解説しています。また、メール自動化やブラウザ操作といった応用的な使い方はOpenClaw応用活用術でご紹介していますので、あわせてお読みください。
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