生産性 2026.03.12

1on1アジェンダテンプレート5選|場面別にそのまま使える進行シートと活用のコツ

1on1アジェンダテンプレート5選

「1on1ミーティングを始めたはいいけど、毎回何を話せばいいかわからない」「準備なしで臨んだ結果、雑談だけで終わってしまった」——そんな経験はありませんか。

1on1の成否を分けるのは、事前に準備するアジェンダ(進行シート)の質です。アジェンダなしの1on1は、地図なしのドライブと同じ。目的地にたどり着けないどころか、部下の貴重な時間を奪ってしまいます。

本記事では、場面別に使い分けられる5種類の1on1アジェンダテンプレートを紹介します。目標設定、キャリア面談、新入社員向け、評価前面談、モチベーション低下時——それぞれの場面に最適化されたテンプレートを、すぐにコピーして使える形式でお届けします。

なお、1on1の基本的な進め方については1on1ミーティング完全ガイドで、実施後の記録・振り返りについては1on1の記録・振り返り術で詳しく解説しています。本記事は「事前準備」に特化した内容です。

なぜ1on1にアジェンダが必要なのか

「1on1は堅苦しくない方がいい」「アジェンダを作ると形式的になる」——そう考える管理職は少なくありません。しかし、それは誤解です。

アジェンダの目的は「会話を型にはめる」ことではなく、「対話の起点を用意する」ことです。リクルートマネジメントソリューションズの調査によると、1on1を実施している企業のうち「効果を実感している」と回答した割合は約6割にとどまります。残り4割が効果を感じられない最大の理由が「準備不足」と「目的の曖昧さ」です。

アジェンダがもたらす3つの効果

  1. 対話の目的が明確になる:「今日は何について話すのか」が事前に共有されるため、部下も心の準備ができる
  2. 時間配分をコントロールできる:30分の1on1で5つの議題を扱いたい場合、各項目に約5分と見積もれる
  3. 継続的な改善につながる:前回のアジェンダと今回を見比べることで、部下の変化や成長を可視化できる

アジェンダは「完璧な台本」ではありません。会話の出発点として用意し、対話の流れに応じて柔軟に変えるのが正しい使い方です。

場面別1on1アジェンダテンプレート5選

ここからは、実際に使えるアジェンダテンプレートを5つ紹介します。それぞれの場面で「何を聞くか」「どういう順番で進めるか」「時間配分はどうするか」を具体的に示しています。

テンプレート1:目標設定・進捗確認(週次〜隔週向け)

最も頻度が高い、定例の1on1に使うテンプレートです。業務の進捗確認と短期目標のすり合わせに焦点を当てます。

【所要時間】30分

時間 項目 質問例
0〜3分 アイスブレイク 「最近、仕事以外で何かいいことあった?」
3〜10分 前回の振り返り 「前回話した〇〇の件、その後どうなった?」「やってみて気づいたことは?」
10〜20分 今週の進捗と課題 「今いちばん時間を使っている業務は?」「困っていることや、判断に迷っていることはある?」
20〜27分 次のアクション 「来週までに何をやる?」「私(上司)にサポートしてほしいことは?」
27〜30分 クロージング 「他に話しておきたいことはある?」

ポイント:「困っていることはある?」と聞いても「特にないです」と返されがちです。代わりに「判断に迷っていること」「もっと効率化できそうだと感じていること」と具体的に聞くと、部下は答えやすくなります。

テンプレート2:キャリア面談(四半期に1回向け)

中長期のキャリアビジョンを話し合う1on1です。日常の業務から一歩離れ、部下の「なりたい姿」にフォーカスします。

【所要時間】45分

時間 項目 質問例
0〜5分 近況と体調確認 「最近の仕事の調子はどう?」
5〜15分 現在の仕事への満足度 「今の業務で、やりがいを感じている部分は?」「逆に、物足りないと感じることは?」
15〜30分 将来のキャリアビジョン 「3年後、どんな仕事をしていたい?」「身につけたいスキルや経験はある?」「社内で興味のある部署やプロジェクトは?」
30〜40分 成長のためのアクション 「そのキャリアに近づくために、今期チャレンジしたいことは?」「会社としてサポートできることはある?」
40〜45分 まとめと次回予告 「今日話した内容を簡単にまとめると…」「次回は〇月にまた話そう」

ポイント:キャリア面談で最も大切なのは「上司が答えを持っていなくてもいい」という姿勢です。部下の話を聴き切ることが信頼につながります。「それは難しいかも」と即答するのではなく、「面白いね、どうすれば実現できるか一緒に考えよう」と返しましょう。

テンプレート3:新入社員向けオンボーディング(入社〜3ヶ月)

新入社員や中途入社の社員が職場に馴染むまでの期間に使うテンプレートです。業務の理解度と心理的な安心感の両方をケアします。

【所要時間】30分/週1回

時間 項目 質問例
0〜5分 体調・生活リズム 「通勤や生活リズムには慣れてきた?」「体調面で気になることはない?」
5〜12分 職場環境への適応 「チームの雰囲気はどう?」「困ったとき、気軽に聞ける人はいる?」「ランチは誰と食べてる?」
12〜22分 業務の理解度 「今やっている業務で、わからないことはある?」「研修で学んだことと実務のギャップは感じる?」「マニュアルで不足していると思う部分は?」
22〜28分 期待値のすり合わせ 「今月中にできるようになりたいことは?」「入社前のイメージと違ったことはある?」
28〜30分 安心感の確認 「何でも聞いていいからね。次回も同じ時間でいい?」

ポイント:新入社員の1on1では「孤立していないか」を最優先で確認します。厚生労働省の調査によると、入社3年以内の離職理由の上位に「人間関係」と「仕事内容のミスマッチ」が挙がります。早期に兆候をキャッチし、必要に応じてメンター配置やOJT内容の見直しにつなげましょう。

テンプレート4:評価前面談(期末・半期ごと)

人事評価の前に行う1on1です。「評価される側」の納得感を高め、評価結果を成長につなげることが目的です。

【所要時間】45分

時間 項目 質問例
0〜5分 導入 「今日は今期の振り返りをしたいと思います。まず、自己評価を聞かせてもらえる?」
5〜15分 自己評価のヒアリング 「今期いちばん成果が出たと思う仕事は?」「逆に、思うようにいかなかったことは?」「自分に点数をつけるなら?」
15〜25分 上司からのフィードバック 「私から見て、〇〇の件は非常によくやってくれた」「一方で、△△の部分はこう改善できると思う」
25〜35分 ギャップの擦り合わせ 「自己評価と私の評価でズレがある部分について、お互いの認識を合わせたい」「この評価基準について、疑問に思うことはある?」
35〜45分 来期の目標設定 「来期、特に伸ばしたいスキルは?」「目標にしたい数字や成果物はある?」

ポイント:評価面談で最も避けるべきは「サプライズ評価」です。日頃の1on1でフィードバックを伝えていれば、評価面談は「確認の場」になります。逆に、普段フィードバックをせず評価面談で初めてネガティブな話をすると、部下の信頼を一気に失います。1on1と評価の連動については1on1ミーティングと人事評価の連動術も参考にしてください。

テンプレート5:モチベーション低下時の緊急1on1

「最近元気がない」「以前より発言が減った」「遅刻が増えた」——こうした変化に気づいたときに行う1on1です。通常のテンプレートとは異なり、「聴くこと」に時間の大半を使う設計です。

【所要時間】30〜45分

時間 項目 質問例
0〜5分 安心できる場づくり 「今日は評価とか業務の話じゃなくて、〇〇さんの話を聞きたいと思って時間をとったんだ」
5〜20分 本人の状態を聴く 「最近、調子はどう?」「仕事の中で、ストレスに感じていることはある?」「プライベートで気になっていることがあれば、話せる範囲で教えてくれる?」
20〜30分 要因の特定(押し付けない) 「何か変えたいと思っていることはある?」「以前と比べて、仕事への気持ちに変化はある?」
30〜40分 サポートの提案 「私にできることがあれば、何でも言ってほしい」「業務量の調整や担当変更も選択肢としてあるからね」
40〜45分 クロージング 「今日話してくれてありがとう。また来週も少し時間をもらっていい?」

ポイント:この場面で絶対にやってはいけないのは「原因を決めつけること」と「すぐに解決策を提示すること」です。「業務が多いからだよね」「異動したいんでしょ?」と先回りすると、部下は本音を話せなくなります。沈黙を恐れず、相手のペースに合わせて待つことが大切です。沈黙への対処法は1on1で「沈黙が続く部下」への対応法も参考になります。

アジェンダテンプレートを効果的に使う3つのコツ

テンプレートを手に入れただけでは、1on1の質は上がりません。運用のコツを押さえることで、テンプレートの効果は何倍にもなります。

コツ1:アジェンダは事前に部下と共有する

1on1の前日までに「明日はこのテーマで話したい」とアジェンダを共有しましょう。部下が事前に考える時間を確保することで、対話の質が格段に上がります。

共有方法は、チャットツールやメールで簡潔に送るだけで十分です。「来週の1on1では、今期の目標進捗について話しましょう。事前に振り返っておいてもらえると助かります」——このひと言があるかないかで、1on1の密度が変わります。

コツ2:テンプレートは「たたき台」として使う

テンプレートの項目を上から順にこなすだけの1on1は、部下にとって「尋問」に感じられます。テンプレートはあくまで「対話の起点」であり、部下の反応に応じて柔軟に深掘りしたり、項目をスキップしたりすることが重要です。

たとえば、目標設定テンプレートで「困っていること」を聞いたら、思いがけずキャリアの悩みが出てくることがあります。そのときは進捗確認を切り上げて、キャリア面談テンプレートに切り替える判断力が求められます。

コツ3:使ったテンプレートと内容を記録に残す

どのテンプレートを使い、どんな話が出たかを簡潔に記録しましょう。次回の1on1の冒頭で「前回は〇〇について話したけど、その後どう?」と振り返ることで、部下は「ちゃんと覚えてくれている」「自分の話を大切にしてくれている」と感じます。

記録の方法やテンプレートについては1on1の記録・振り返り術|議事録テンプレートと継続するためのコツで詳しく解説しています。

アジェンダの選び方フローチャート

「どのテンプレートを使えばいいかわからない」という方のために、選び方の判断基準をまとめます。

  • 毎週・隔週の定例1on1 → テンプレート1(目標設定・進捗確認)
  • 四半期に1回のキャリア面談 → テンプレート2(キャリア面談)
  • 入社3ヶ月以内の新メンバー → テンプレート3(新入社員向け)
  • 評価期間の直前 → テンプレート4(評価前面談)
  • 部下の様子がいつもと違う → テンプレート5(モチベーション低下時)

迷ったら、まずはテンプレート1から始めるのがおすすめです。週次の1on1を安定して回せるようになったら、四半期ごとにテンプレート2を挟み、必要に応じて3〜5を使い分ける——この段階的な導入が、無理なく1on1の質を高める近道です。

まとめ:アジェンダが1on1の「準備8割」を担う

1on1ミーティングの成果は、事前準備で8割が決まると言っても過言ではありません。本記事で紹介した5つのアジェンダテンプレートを場面に応じて使い分けることで、「何を話せばいいかわからない」「毎回雑談で終わる」という悩みは解消できます。

もう一度、5つのテンプレートを整理します。

  1. 目標設定・進捗確認:週次〜隔週の定例向け。業務の課題を素早くキャッチ
  2. キャリア面談:四半期に1回。部下の「なりたい姿」にフォーカス
  3. 新入社員向け:入社〜3ヶ月。孤立防止と業務理解のダブルケア
  4. 評価前面談:期末・半期ごと。納得感のある評価と来期目標の設定
  5. モチベーション低下時:緊急対応。聴くことに徹し、心理的安全性を守る

大切なのは、テンプレートを「完璧にこなす」ことではなく、部下との対話を豊かにするための道具として柔軟に活用することです。まずは次回の1on1から、ひとつ試してみてください。

株式会社Sei San Seiでは、1on1の導入・定着を含めた組織の生産性向上をご支援しています。「1on1を始めたいけど、社内に定着するか不安」「管理職の面談スキルを底上げしたい」といったお悩みがあれば、お気軽にご相談ください。

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