AI活用 2026.07.07

GPT-5.6とは|Sol・Terra・Lunaの違い・料金・提供時期を公式情報から解説

GPT-5.6とは|Sol・Terra・Lunaの違い・料金・提供時期を公式情報から解説

OpenAIが次世代モデルファミリー「GPT-5.6」を発表しました。今回の目玉は、性能向上だけでなく命名体系の刷新です。最上位のSol(ソル)、バランス型のTerra(テラ)、高速・低価格のLuna(ルナ)という3階層の名前が導入され、今後のモデル選びの考え方が変わります。

本記事では、OpenAIの公式発表をもとに、GPT-5.6の3モデルの違い・料金・新機能・提供スケジュールを整理し、中小企業がどう向き合えばよいかを解説します。前世代の動向は「GPT-5.5発表|エージェント性能と中小企業の使い方」もあわせてご覧ください。

GPT-5.6とは——命名体系が変わった

GPT-5.6は、OpenAIが2026年7月に発表した最新のモデルファミリーです。これまでのOpenAIのモデル名は「GPT-5.5」「GPT-5.5 Instant」のようにバージョン番号と修飾語の組み合わせで、どれがどの用途向けなのか分かりにくいという声がありました。

GPT-5.6では、数字がモデルの「世代」を、Sol・Terra・Lunaという名前が「能力の階層」を表すという整理が導入されました。太陽(Sol)・地球(Terra)・月(Luna)という天体の名前で、直感的に上下関係がわかる構成です。

  • GPT-5.6 Sol:最上位のフラッグシップ。コーディング・科学・サイバーセキュリティの能力を強化
  • GPT-5.6 Terra:性能とコストのバランス型。日常業務のデフォルト向け
  • GPT-5.6 Luna:最速・最安。大量処理や速度重視の用途向け

この階層名は今後の世代でも維持される見込みで、「次のフラッグシップはGPT-5.7 Sol」のように、世代が上がっても役割の名前は変わらない運用が期待できます。ツール選定や社内ルールで「どのモデルを使うか」を決めやすくなる、実務にはありがたい変更です。

Sol・Terra・Lunaの違いと料金

発表されているAPI料金(100万トークンあたり)と位置づけを整理します。トークンの考え方は「トークンとは|生成AIの料金とコンテキスト制限を解説」で詳しく解説しています。

モデル 位置づけ 入力料金 出力料金
Sol フラッグシップ。複雑な多段階の問題向け 5ドル 30ドル
Terra GPT-5.5と競合する性能を約半額で。日常業務の標準 2.5ドル 15ドル
Luna 最速・最安。大量処理・チャットボット等 1ドル 6ドル

注目はTerraです。OpenAIは「前世代の最上位であるGPT-5.5と競合する性能を約2分の1のコストで提供する」と説明しており、多くの企業にとってコストを変えずに性能を上げる(または性能を保ってコストを半減する)選択肢になります。なお、キャッシュ書き込みは入力料金の1.25倍、キャッシュ読み取りには90%割引が適用されるとされています。

新機能——max推論とultraモード

GPT-5.6では、最上位のSolだけが使える2つの新しい仕組みが導入されました。

max reasoning effort(最大推論)

推論にかける時間・計算量の設定に、従来より深く考える「max」が追加されました。難易度の高い問題に対して、Solに最も長く推論させることができます。

ultraモード(サブエージェント活用)

単一のエージェントの能力を超えるため、複数のサブエージェントを活用して複雑な作業を加速するという新モードです。コマンドライン操作のベンチマーク(Terminal-Bench 2.1)では、通常のSolが88.8%のところ、Sol Ultraは91.9%というスコアが報告されています(前世代GPT-5.5は88.0%)。なお、Sol Ultraは計算資源を多く使うため通常のSolより高額になる予定で、正式な価格は未発表です。

「AIが複数のAIに仕事を割り振って並行処理する」という方向性は、各社のエージェント機能の共通トレンドになりつつあります。エージェント活用の基礎は「生成AIシェア三極化|ChatGPT・Claude・Geminiの選び方」も参考にしてください。

提供時期——限定プレビューから段階的に

GPT-5.6は2026年7月上旬時点で限定プレビューの段階です。OpenAIは今回、米国政府と調整のうえ、承認された一部のパートナー組織(報道では約20組織)に限定してAPIとCodex経由で先行提供する、という慎重なロールアウトを採っています。プレビュー期間中はChatGPTでは利用できません。

背景には、サイバーセキュリティ分野などで能力が大きく向上したモデルを、悪用対策を検証しながら段階的に開放するという安全方針があります。OpenAIはモデル訓練・リアルタイム分類器・アカウント審査などを組み合わせた多層的なセーフガードを実装したと説明しています。一般のChatGPTユーザーと公開APIへの提供は2026年7月中旬が見込まれていますが、正式日程は公式発表をご確認ください。

また、推論チップを手がけるCerebras上で、最大毎秒750トークンという高速なSolの提供が7月に始まることも発表されており、速度面の進化も注目されています。

中小企業はどう向き合うべきか

新モデルの発表が続くと「また変わるのか」と疲れてしまいますが、実務の対応はシンプルです。

  • いま使っているプラン・モデルを急いで変える必要はない:一般提供が始まり、日本語での評判が固まってから移行しても遅くありません
  • API利用企業はTerraを試す価値大:前世代最上位級の性能が約半額なら、コスト削減インパクトが直接出ます
  • モデル名を固定しない設計に:社内ツールやワークフローは、モデルを差し替えられる作りにしておくと世代交代のたびに慌てずに済みます
  • 選び方の軸は変わらない:「難しい仕事は上位モデル、定型・大量処理は下位モデル」という使い分けの原則はGPT-5.6でも同じです

どのAIをどの業務に使うかの整理は「有料AIに課金するならどれ?4大AIの料金と選び方」で詳しく解説しています。

まとめ

  • GPT-5.6はOpenAIの次世代モデルファミリー。数字が世代、Sol・Terra・Lunaが能力階層を表す新命名体系を導入
  • 料金は100万トークンあたりSolが入力5ドル/出力30ドル、Terraが2.5ドル/15ドル、Lunaが1ドル/6ドル
  • Terraは前世代最上位級の性能を約半額で提供し、多くの企業の実質的な標準候補
  • Sol限定でmax推論とサブエージェント活用のultraモードが追加
  • 現在は約20の承認済みパートナー限定のプレビュー段階。一般提供は2026年7月中旬見込み

株式会社Sei San Seiでは、生成AIの業務活用・モデル選定を含む中小企業のDX推進をご支援しています。社員のAIスキル底上げには研修サービスMINORI Learningもご用意しています。「自社の業務にどのAIをどう組み込むべきか」でお悩みの際は、お気軽にご相談ください。

高橋 央

この記事の執筆者

高橋 央株式会社Sei San Sei 代表取締役CEO

株式会社リクルートキャリア(当時)にて地方転職のノウハウを社内外に共有し、北海道をはじめとする地方転職市場の拡大に寄与。2020年にベンチャー企業で人事責任者・子会社取締役を経験したのち、2023年1月に株式会社Sei San Seiを設立。DX・HR領域のサービスを展開。著書に『仕事や将来に迷った時に、若手キャリア層のこれからの描き方』がある。

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