採用コストを削減するには? 中小企業が今すぐ見直すべき5つのポイント
「いい人材を採りたいが、採用にかけられる予算には限りがある」——中小企業の経営者や人事担当者であれば、誰もが一度は感じたことのあるジレンマではないでしょうか。
求人広告を出しても応募が集まらない。人材紹介エージェントを使えば手数料が高い。社内で対応しようにも人事専任の担当者がいない。こうした悩みは、特に従業員50名以下の中小企業で顕著です。
本記事では、採用コストの内訳を明らかにしたうえで、中小企業が今すぐ見直すべき5つのポイントを具体的に解説します。コストを抑えながらも、採用の質を落とさない方法を一緒に考えていきましょう。
採用コストの内訳を知る
採用コストを削減するためには、まず「何にいくらかかっているのか」を正確に把握することが出発点です。採用コストは大きく外部コストと内部コストに分けられます。
外部コスト
外部コストとは、社外に支払う費用のことです。
- 求人広告費:求人サイトへの掲載料。1媒体あたり月額20万〜100万円が相場で、掲載期間や表示順位によって大きく変動します。
- 人材紹介手数料:エージェント経由で採用が決まった場合に発生する成功報酬。一般的に年収の30〜35%が相場であり、年収400万円の人材であれば120〜140万円の手数料がかかります。
- 合同説明会・イベント費:出展料に加えて、ブース設営費や配布物の制作費など。1回あたり30〜80万円程度が目安です。
内部コスト
見落としがちなのが、社内で発生する「見えないコスト」です。
- 人事担当者の人件費:求人票の作成、応募者対応、日程調整、書類選考など、採用業務にかかる工数を時給換算すると、1名の採用に数十時間を費やしていることも珍しくありません。
- 面接対応の時間:現場マネージャーや役員が面接に参加する場合、その時間も採用コストの一部です。面接1回あたり1〜2時間、複数回の選考プロセスを経ると、相当な時間が本業から割かれます。
- 選考管理の事務工数:候補者情報の管理、選考結果の共有、内定通知の作成など、細かい事務作業が積み重なります。
採用コストの全体像を把握していない企業は意外と多い。外部コストだけでなく、内部コストまで含めて「1名あたりの採用単価」を算出することが、改善の第一歩です。
中小企業が今すぐ見直すべき5つのポイント
採用コストの構造を理解したところで、具体的な見直しポイントを見ていきましょう。すべてを一度に実行する必要はありません。自社の状況に合わせて、取り組みやすいものから着手してください。
ポイント1: 求人媒体の費用対効果を分析する
複数の求人媒体を「なんとなく」使い続けていないでしょうか。まずは過去6〜12カ月のデータを振り返り、媒体ごとの費用対効果を数字で確認しましょう。
確認すべき指標は以下の通りです。
- 応募単価:掲載費用 / 応募数
- 面接単価:掲載費用 / 面接実施数
- 採用単価:掲載費用 / 採用決定数
- 定着率:入社後6カ月・1年時点での在籍率
分析の結果、応募は多くても採用につながらない媒体や、採用できても早期離職が多い媒体が見つかることがあります。効果の薄い媒体を整理するだけで、年間数十万〜数百万円のコスト削減が可能です。
ポイント2: リファラル採用(社員紹介)を活用する
リファラル採用とは、自社の社員から知人や元同僚を紹介してもらう採用手法です。外部コストがほぼゼロに近い一方で、紹介者が社風や業務内容を事前に伝えてくれるため、ミスマッチが起きにくく定着率が高いという大きなメリットがあります。
リファラル採用を活性化するためのポイントは3つです。
- 紹介インセンティブの設定:採用決定時に3〜10万円程度の報奨金を設定する企業が一般的です。エージェント手数料と比較すれば圧倒的に低コストです。
- 紹介しやすい仕組みづくり:「こういう人を探しています」という情報を社内に定期的に発信し、紹介フローをシンプルにすること。
- 紹介者への感謝とフィードバック:結果がどうなったかを必ず紹介者に伝えること。紹介したのに音沙汰がないと、次の紹介意欲が下がります。
ポイント3: 採用プロセスのムダを省く
選考プロセスが長すぎると、候補者の辞退率が上がるだけでなく、社内の工数も膨らみます。中小企業であれば、書類選考から内定まで2〜3週間以内に完結させることを目標にしましょう。
見直すべきポイントは以下の通りです。
- 選考回数の適正化:面接を3回以上設定している場合、本当にすべて必要か再検討する。1次面接と最終面接の2回で十分なケースも多い。
- 面接官の評価基準の統一:「なんとなく良さそう」で判断していると選考にブレが出る。事前に評価シートを用意し、合否の基準を明確にする。
- 日程調整のスピード:メールの往復で日程調整に1週間かかっていたら、その間に候補者は他社に流れてしまう。オンラインツールの活用で即日〜翌日の調整を目指す。
ポイント4: AI・RPAで採用業務を自動化する
採用業務には、定型的で反復的な作業が数多く存在します。これらをAIやRPAで自動化することで、内部コストを大幅に削減しながら、対応スピードも向上させることが可能です。
自動化しやすい業務の例を挙げます。
- スカウトメールの作成・送信:AIが候補者のプロフィールを分析し、パーソナライズされたスカウト文面を自動生成。送信タイミングの最適化まで対応できます。
- 書類スクリーニング:応募書類と求人要件のマッチング度をAIが判定し、優先順位をつけて人事担当者に提示。
- 面接日程の自動調整:候補者と面接官の空き時間を自動でマッチングし、確定通知まで自動化。
- 応募者への自動返信・ステータス通知:応募受付の確認メールや選考結果の通知を自動化することで、対応漏れを防止。
Sei San Seiが提供するRPaaS(AI採用代行)は、これらの採用業務をAIとオペレーション専門チームが一体となって代行するサービスです。自社で採用管理システムを導入・運用する手間なく、採用プロセス全体の効率化を実現できます。特に人事専任者がいない中小企業にとって、採用の「仕組みごと外部に任せる」という選択肢は、コスト削減と採用力強化を同時に叶える有効な手段です。
ポイント5: 採用ブランディングで応募の質を上げる
コスト削減というと「出費を減らす」方向に意識が向きがちですが、応募の質を上げることで結果的にコストが下がるというアプローチも非常に重要です。
自社の魅力が正しく伝わっていなければ、ミスマッチな応募が増え、選考工数ばかりが膨らみます。逆に、自社の価値観やカルチャーを明確に発信できていれば、共感する人材が集まりやすくなります。
採用ブランディングの具体的な施策をいくつか紹介します。
- 社員インタビューの公開:実際に働いている社員の声を採用ページやSNSで発信する。リアルな情報はミスマッチの防止に直結します。
- 企業理念・ビジョンの言語化:「うちは〇〇な会社です」と一言で説明できる状態にする。抽象的なスローガンではなく、具体的なエピソードとセットで伝える。
- SNS・オウンドメディアの活用:日常の社内風景やプロジェクトの裏側を発信することで、求人広告だけでは伝わらない「働くイメージ」を醸成する。
採用ブランディングは即効性こそありませんが、中長期的に見ると採用単価の大幅な低減と、定着率の向上につながります。
コスト削減と採用品質の両立
採用コストの削減を進めるうえで、最も避けるべきは「安かろう悪かろう」の採用に陥ることです。コストを下げた結果、採用の質が落ち、早期離職が増えれば、再び採用活動をやり直すことになり、トータルコストはかえって膨らみます。
コスト削減と品質向上を両立させるためのポイントは以下の通りです。
- 「採用単価」だけでなく「定着単価」で考える:入社後1年以上定着した人材にかかった費用で評価する。安く採用できても半年で退職されれば意味がない。
- 削るべきは「ムダ」であって「投資」ではない:効果の出ていない広告費は削るべきだが、面接の質を高めるためのトレーニングや、候補者体験を改善するための投資は惜しまない。
- データに基づいた継続的な改善:採用チャネルごとの成果を定期的にモニタリングし、PDCAを回す。感覚ではなく数字で判断する文化をつくる。
採用は企業の未来をつくる投資です。コストを「下げる」のではなく「最適化する」という視点を持つことが、中小企業の採用戦略においては特に重要です。
まとめ
採用コストの削減は、「何にお金がかかっているかを知る」ことから始まります。そのうえで、自社に合ったアプローチを選び、一つずつ改善していくことが大切です。
- 外部コストと内部コストの両面から「1名あたりの採用単価」を把握する
- 求人媒体の費用対効果を数字で分析し、効果の薄い媒体を見直す
- リファラル採用で低コスト・高定着率の採用チャネルを育てる
- 選考プロセスを短縮し、候補者の辞退と社内工数のムダを減らす
- AI・RPAの活用で定型業務を自動化し、人がやるべき仕事に集中する
- 採用ブランディングで「応募の質」を上げ、選考効率を根本から改善する
私たちSei San Seiは、RPaaS(AI採用代行)を通じて、中小企業の採用業務を丸ごと支援しています。「採用にかけるコストも人手も限られている」「何から手をつければいいかわからない」という企業様は、ぜひ一度ご相談ください。貴社の採用課題に合わせた最適なプランをご提案いたします。