Larkの使い方完全ガイド|カレンダー・Base・ドキュメントを業務で使いこなす実践テクニック
「Larkを導入したものの、チャット以外の機能をほとんど使えていない」——そんな声を、中小企業のDX担当者からよく耳にします。Larkにはメッセンジャー、カレンダー、ドキュメント、Base(データベース)、ビデオ会議など、業務に必要な機能がひと通り揃っています。しかし、機能が豊富なぶん、どこから手をつけるべきか迷ってしまう方も少なくありません。
本記事では、Larkの主要機能であるメッセンジャー・カレンダー・ドキュメント・Baseに焦点を当て、それぞれの使い方を具体的な操作手順レベルで解説します。「Larkとは何か」という概要ではなく、「どう使うか」という実践テクニックに特化した内容です。すでにLarkを導入済みの方も、これから本格的に活用したい方も、この記事を読みながら実際に操作してみてください。
Larkとは? 1つで完結するオールインワン業務プラットフォーム
Larkは、ByteDance(TikTokの親会社)が開発したオールインワンの業務プラットフォームです。チャット、ビデオ会議、ドキュメント作成、表計算、データベース、プロジェクト管理、ナレッジベースなど、業務に必要な機能が1つのアプリに統合されている点が最大の特徴です。
従来、多くの企業ではチャットにSlack、ビデオ会議にZoom、ドキュメントにGoogle Docs、プロジェクト管理にTrelloやNotionといった具合に、業務ごとに異なるツールを使い分けていました。ツールの数が増えるほど、情報があちこちに分散し、切り替えのたびに集中力が途切れるという問題が生じます。
Larkはこの課題を根本的に解消します。チャットの中からドキュメントを作成でき、カレンダーの予定にドキュメントを紐付けられ、Baseのデータをチャットに共有できる。すべての情報が1つのプラットフォーム上でつながるため、ツール間の切り替えが不要になります。
さらに、Larkは無料プランでも主要機能を十分に利用できるのが大きな魅力です。ユーザー数50人までなら無料で使えるため、中小企業がコストをかけずにDXの第一歩を踏み出すのに最適なツールといえます。
メッセンジャーの使い方 — チャットを業務コミュニケーションの中心に
Larkのメッセンジャーは、単なるチャットツールではありません。ファイル共有、タスク管理、ドキュメント連携など、業務コミュニケーションのハブとして機能するよう設計されています。ここでは、メッセンジャーを効果的に活用するための具体的な使い方を紹介します。
グループチャットの作成と運用のコツ
メッセンジャーの基本はグループチャットです。Larkでは、チャット画面右上の「+」ボタンからグループを作成できます。グループを作る際に意識すべきポイントは以下の3つです。
- 目的別にグループを分ける:「プロジェクトA進捗」「営業チーム連絡」「全社お知らせ」のように、グループの目的を明確にする
- グループ名に用途を明記する:「2026年度_新卒採用_選考チーム」のように、名前だけでグループの内容がわかるようにする
- グループの説明欄を活用する:グループの目的、投稿ルール、関連ドキュメントのリンクを説明欄に記載しておく
グループ数が増えすぎると情報の見落としが起きます。不要になったグループはアーカイブし、アクティブなグループ数を常に管理可能な範囲に保つことが長期的な運用のコツです。
メンション・ピン留め・リアクションで情報を整理する
日々の業務チャットでは、大量のメッセージが流れます。重要な情報が埋もれないようにするために、Larkのメッセンジャーには便利な機能が備わっています。
- メンション(@):特定のメンバーに通知を送りたいとき、メッセージ入力欄で「@」を入力し、名前を選択する。「@all」でグループ全員に通知できる
- ピン留め:重要なメッセージを長押し(PCは右クリック)し、「ピン留め」を選択すると、グループの上部に固定される。会議のアジェンダや期限付きの依頼など、後から見返したい情報に有効
- リアクション:メッセージに対して絵文字で反応できる。「了解しました」の代わりにリアクションを使えば、チャットの流れを妨げずに既読の意思表示ができる
特にリアクションは、「確認しました」「対応します」といった短い返信を減らし、チャットのノイズを抑える効果があります。チーム全体でリアクションを活用するルールを設けると、情報の見通しがよくなります。
スレッド機能で議論を集約する
1つのトピックについて複数人がやり取りすると、チャットの流れが入り乱れて読みにくくなります。Larkのスレッド機能を使えば、特定のメッセージに対する返信をスレッド内にまとめることができます。
スレッドを活用するタイミングとしては、以下のような場面が効果的です。
- ある提案に対して賛否や意見を募るとき
- 質問への回答が複数ステップにわたるとき
- 特定のタスクの進捗をフォローアップするとき
スレッドを使うことで、メインのチャット画面はトピックの一覧として機能し、詳細はスレッド内で深掘りするという整理された情報構造が生まれます。
カレンダーの使い方 — スケジュール管理と会議設定を効率化
Larkのカレンダーは、個人のスケジュール管理だけでなく、チーム全体の予定を一元管理するための機能が充実しています。Google カレンダーやOutlookに慣れている方でも、Larkならではの使い方を知ることで業務効率が大きく変わります。
予定の作成・共有・リマインダー設定
カレンダーで予定を作成する手順はシンプルです。カレンダー画面で任意の日時をクリックし、予定のタイトル・時間・参加者を入力するだけで完了します。ここで押さえておきたい実践テクニックを紹介します。
- 繰り返し設定:毎週の定例会議は「繰り返し」を設定する。毎週月曜10時、隔週金曜15時など、柔軟なパターン指定が可能
- リマインダーのカスタマイズ:予定の15分前、1時間前、1日前など、複数のリマインダーを設定できる。重要な会議には複数段階のリマインダーを推奨
- 予定にドキュメントを添付:会議のアジェンダや資料をLarkドキュメントで作成し、予定に添付しておくと、参加者が事前に内容を確認できる
- 場所・ビデオ会議リンクの追加:対面会議なら場所を、オンラインならLarkビデオ会議のリンクをワンクリックで追加できる
カレンダーの予定にドキュメントを紐付けられるのは、Larkならではの強みです。会議の予定を開くだけでアジェンダや議事録にアクセスできるため、「あの資料どこだっけ?」という無駄なやり取りがなくなります。
会議のスケジュール調整(空き時間の確認)
複数人の予定を調整する作業は、メールやチャットでのやり取りだけでは非常に手間がかかります。Larkのカレンダーには、参加者の空き時間を一覧表示する「空き時間確認」機能があります。
使い方は簡単です。予定を新規作成する画面で参加者を追加すると、画面右側に各メンバーのスケジュールが表示されます。全員の空き時間が色分けで一目でわかるため、手動での日程調整が不要になります。
この機能を最大限に活かすためには、チームメンバー全員がLarkのカレンダーに自分の予定を正確に入力しておくことが前提です。「カレンダーに入っていない予定は存在しないものとして扱う」というルールをチームで共有すると、スケジュール調整の精度が飛躍的に向上します。
ToDo連携で「やるべきこと」を見える化
Larkのカレンダーは、タスク管理機能とも連携しています。チャットのメッセージを長押しして「ToDoを作成」を選ぶと、そのメッセージの内容がそのままタスクとして登録されます。登録したToDoには期限を設定でき、カレンダー上にタスクとして表示されます。
この連携のメリットは、チャットで依頼された仕事を「見落とさない仕組み」が自動的にできることです。チャットの流れの中で「これお願いします」と言われたタスクを、その場でToDoに変換すれば、後から探す手間がなくなります。
ドキュメントの使い方 — リアルタイム共同編集で議事録・企画書を効率化
Larkドキュメントは、Google ドキュメントやNotion に近い使い勝手を持つ、クラウドベースの文書作成ツールです。最大の特徴はリアルタイムの共同編集で、複数人が同時に1つのドキュメントを編集できます。
ドキュメント作成の基本操作
Larkドキュメントは、サイドバーの「ドキュメント」アイコンから新規作成できます。操作はブロックエディタ方式で、テキスト、見出し、箇条書き、チェックリスト、テーブル、画像などのブロックを自由に配置できます。
基本的な操作を押さえておきましょう。
- 見出しの設定:テキストを入力した後、行頭で「#」を入力するとH1、「##」でH2に自動変換される。マウスで選択してツールバーから変更することも可能
- チェックリスト:「/checklist」と入力するか、ツールバーから選択してチェックリストを作成できる。タスクの進捗管理に便利
- テーブルの挿入:「/table」と入力し、行数・列数を指定するだけでテーブルが挿入される。セル内の書式設定も自由に行える
- 画像・ファイルの埋め込み:ドラッグ&ドロップで画像を挿入できる。PDFやExcelファイルもドキュメント内にプレビュー表示できる
Larkドキュメントはスラッシュコマンド(「/」入力で表示されるメニュー)が充実しており、キーボードから手を離さずにほとんどの操作が完結する設計になっています。
コメント・メンション・バージョン履歴
ドキュメントでの共同作業をスムーズにするために、以下の機能を活用しましょう。
- コメント:テキストを選択し、「コメントを追加」をクリックすると、その箇所に対してコメントを付けられる。フィードバックや質問に最適
- メンション:コメント内で「@」を入力してメンバーを指定すると、そのメンバーに通知が届く。返信待ちのタスクとしても機能する
- バージョン履歴:ドキュメントの右上メニューから「バージョン履歴」を開くと、過去の編集内容を時系列で確認できる。誤って削除した内容も復元可能
特にコメント機能は、ドキュメント上での「非同期コミュニケーション」に最適です。全員が同じ時間にオンラインでなくても、コメントを通じてレビューやフィードバックを進められるため、リモートワークやフレックス勤務のチームで重宝します。
テンプレート活用:議事録、週報、企画書
毎回ゼロからドキュメントを作成するのは非効率です。Larkには豊富なテンプレートが用意されており、目的に合ったテンプレートを選ぶだけで、すぐに使い始められます。
業務でよく使うテンプレートとその活用ポイントを紹介します。
- 議事録テンプレート:日時、参加者、アジェンダ、決定事項、ネクストアクションの欄があらかじめ用意されている。会議の予定にドキュメントを添付しておけば、会議開始時にすぐ記録を始められる
- 週報テンプレート:今週の成果、来週の予定、課題・相談事項のフォーマットが整っている。チーム全員が同じフォーマットで報告することで、マネージャーの確認工数が減る
- 企画書テンプレート:背景、目的、施策内容、スケジュール、予算の構成があらかじめ設計されている。社内提案の品質を標準化できる
自社独自のテンプレートを作成し、チームの「テンプレートライブラリ」として共有しておくと、新しいメンバーが加わったときにも品質のばらつきなく業務を始められます。
Baseの使い方 — ノーコードデータベースで業務管理を仕組み化
Lark Baseは、スプレッドシートの見た目を持ちながら、リレーショナルデータベースの機能を備えたノーコードツールです。Excelの延長線上で使い始められるため、ITに詳しくない方でも直感的に操作できます。
Baseとは? Excelとの違い
ExcelとBaseは見た目こそ似ていますが、根本的な設計思想が異なります。Excelは「計算」が得意なツールであるのに対し、Baseは「データ管理」が得意なツールです。
具体的な違いを整理します。
- データの型指定:Baseではフィールド(列)ごとにデータ型(テキスト、数値、日付、単一選択、複数選択、チェックボックスなど)を指定する。入力ミスを防ぎ、データの一貫性を保てる
- ビューの切り替え:同じデータをグリッド(表)、カンバン、ガントチャート、カレンダーなど、目的に応じた表示形式に切り替えられる
- リレーション(テーブル間の関連付け):異なるテーブルのデータを紐付けられる。顧客テーブルと案件テーブルを関連付ければ、1人の顧客に複数の案件が紐づくデータ構造を作れる
- フィルター・ソート・グループ化:条件を指定してデータを絞り込んだり、特定の項目でグループ分けしたりできる。Excelのフィルターより柔軟で、保存して共有できる
Excelは個人で数値計算をする場面に強く、Baseはチームでデータを共有・管理・更新する場面に強い。この使い分けを理解しておくと、どちらを選ぶべきか迷わなくなります。
テーブル・フィールド・ビューの基本
Baseを使い始める手順を解説します。
ステップ1:テーブルの作成
サイドバーの「Base」アイコンから新規Baseを作成すると、最初のテーブルが自動的に生成されます。テーブルは「案件管理」「顧客情報」「タスク一覧」など、管理したいデータの単位で作成します。
ステップ2:フィールドの設計
テーブルの列がフィールドです。フィールド名をクリックし、データ型を選択します。たとえばタスク管理テーブルなら、以下のようなフィールドを設定します。
- タスク名(テキスト型)
- 担当者(メンバー型 — Larkユーザーを直接指定できる)
- ステータス(単一選択型 — 未着手・進行中・完了 などの選択肢)
- 期限(日付型)
- 優先度(単一選択型 — 高・中・低)
- 備考(テキスト型・長文入力対応)
ステップ3:ビューの作成
同じテーブルのデータを、目的に応じて異なるビューで表示できます。テーブル画面左上の「ビューを追加」から新しいビューを作成します。
- グリッドビュー:標準の表形式。データの入力・編集に最適
- カンバンビュー:ステータスごとにカードを並べる形式。タスクの進捗管理に便利
- ガントチャートビュー:日付フィールドを基に、タスクの期間をバー表示する。プロジェクトのスケジュール管理に最適
- カレンダービュー:日付フィールドをもとに、カレンダー上にデータを表示する
ビューの魅力は、元のデータを変えずに見せ方だけを変えられる点です。マネージャーはカンバンビューで全体の進捗を把握し、担当者はグリッドビューで自分のタスクを確認する、といった使い分けができます。
業務での活用例:案件管理、顧客管理、タスク管理
Baseの具体的な活用例を3つ紹介します。いずれもExcelやスプレッドシートで管理していたデータを、Baseに移行することで大きな効率化が期待できます。
活用例1:案件管理
営業チームの案件管理にBaseを使うケースです。案件名、顧客名、担当営業、ステージ(初回接触・提案中・見積提出・受注・失注)、金額、予定クロージング日をフィールドとして設定します。カンバンビューでステージごとの案件を一覧表示すれば、パイプラインの状況がリアルタイムで把握できます。
活用例2:顧客管理
簡易的なCRMとしてBaseを活用できます。顧客名、連絡先、業種、担当者、直近のコンタクト日、ステータスをフィールドに設定します。案件管理テーブルとリレーションを設定すれば、顧客ごとの案件履歴を一画面で確認できます。高価なCRMツールを導入する前に、まずBaseで試してみるのも賢いアプローチです。
活用例3:タスク管理
チーム全体のタスク管理をBaseで行うケースです。タスク名、担当者、ステータス、期限、優先度を設定し、カンバンビューで進捗を管理します。ガントチャートビューに切り替えれば、タスク間の依存関係やスケジュールの全体感も視覚的に把握できます。
いずれの活用例でも共通して重要なのは、最初からフィールドを作り込みすぎないことです。まず必要最低限のフィールドで運用を始め、使いながら足りないフィールドを追加していく方が、チームへの定着がスムーズです。
まとめ — Larkを「チャットツール」で終わらせない
Larkの真価は、チャット機能だけにあるのではありません。メッセンジャー、カレンダー、ドキュメント、Baseの4つの機能を組み合わせることで、業務プロセス全体をカバーする統合プラットフォームとして機能します。
本記事で紹介した各機能のポイントを振り返ります。
- メッセンジャー:グループの目的を明確にし、メンション・ピン留め・スレッドで情報を整理する
- カレンダー:予定にドキュメントを添付し、空き時間確認機能でスケジュール調整を効率化する
- ドキュメント:リアルタイム共同編集とテンプレートを活用し、議事録や企画書の作成工数を削減する
- Base:ノーコードデータベースで案件管理・顧客管理・タスク管理を仕組み化する
大切なのは、一度にすべての機能を使いこなそうとしないことです。まずはメッセンジャーで日常のコミュニケーションをLarkに集約するところから始め、次にカレンダーでスケジュール管理を統合し、ドキュメントで共同作業を始め、最終的にBaseで業務データを管理する。このように段階的に活用範囲を広げていくことで、チーム全体がスムーズにLarkに慣れていきます。
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