採用支援 2026.04.24

ミドル採用コンサル81%が増加予測|2026年 年齢幅拡大のリアルと採用企業の勝ち筋

ミドル採用コンサル81%が増加予測|2026年 年齢幅拡大のリアルと採用企業の勝ち筋

エン・ジャパンが2026年に実施した調査で、転職コンサルタントの81%がミドル(35歳以上)求人の増加を予測する結果が出ました。その最大の理由が「若手人材の不足により採用人材の年齢幅を広げざるを得ない」(57%)というもの。採用市場の構造そのものが変わりつつあります。

本記事は求職者向けではなく、採用企業の経営者・人事・採用担当者に向けて、この市場変化にどう対応すべきかを実務的に解説します。年齢幅を広げた採用を成功させるための求人設計・処遇・評価・定着まで、採用代行サービスの運営で蓄積した知見を体系的にまとめました。

調査データが示す5つのファクト

ファクト1. 81%のコンサルが「ミドル求人増加」を予測

転職コンサルタント200人へのアンケートで81%が増加予測。この数字は前年からさらに上昇しており、ミドル採用はもはや「選択肢の一つ」ではなく「主戦場」になりつつあります。

ファクト2. 最大の理由は「若手不足による年齢幅拡大」

増加理由の第1位は「若手人材の不足による採用人材の年齢幅拡大」(57%)。これは企業が「ミドルを積極的に採りたい」わけではなく、「若手が採れないのでミドルまで広げるしかない」という消極的理由です。この認識のズレが、後述する採用失敗の温床になります。

ファクト3. 35〜40代前半がボリュームゾーン

35歳〜40代前半は管理職経験・専門性・体力のバランスが最も良い層として人気が高く、企業間の獲得競争が激化。この層が採れない企業は40代後半〜50代まで対象を広げる動きを見せています。

ファクト4. 2025年の正社員転職率は7.6%

マイナビ調査によると、2025年の正社員転職率は7.6%(前年比+0.4pt)。20代(12.0%)が最多だが前年比では減少、30〜50代は増加傾向で、転職の主力がミドル層にシフトしています。

ファクト5. doda予測:15分野中9分野で求人増

doda編集長による「転職市場予測2026上半期」では、15分野中9分野で求人増、4分野で好調維持。2040年問題(生産年齢人口の激減)生成AI普及によるデジタル人材需要の両輪で、ミドル層の流動性は今後数年にわたって高まり続けます。

採用企業が陥りやすい3つの誤解

データは「ミドル採用が増える」と示していますが、増えるのは市場全体の話であり、自社が成功できるとは限りません。採用企業がよく陥る誤解を3つ挙げます。

誤解1. 「若手と同じ給与でミドルが採れる」

「若手が採れないならミドルで埋めよう」と考える企業の多くが、若手基準の給与テーブルのままミドルを募集します。しかしミドル層は家庭・住宅ローン・教育費など生活コストの最低ラインが若手よりはるかに高く、若手基準の給与では応募が来ないか、来ても質が下がります。

誤解2. 「管理職候補として採れば安い」

「管理職として採用すれば裁量労働制で残業代が不要」と考えるのも危険です。名ばかり管理職は労基法違反リスクが高く、現実にはマネジメント権限もないまま「管理職」の肩書だけ付けて低処遇で採用しようとする企業があります。こうした求人は経験豊富なミドル層ほど即座に見抜きます

誤解3. 「スキルだけ見ればいい」

ミドル採用では「技能はあるが組織に馴染まない」失敗が起きやすい。経験豊富なミドル層ほど、これまでのやり方に対するこだわりが強く、採用側の企業文化との整合性を見る必要があります。スキル適合度だけで決めると、入社後3ヶ月以内の早期離職につながります。

ミドル採用を成功させる6つの実務策

策1. 給与テーブルを「家庭持ちミドル」基準で設計

年齢帯・家族構成・スキル水準を踏まえた現実的な給与テーブルを用意します。40代の中堅技術者なら年収600〜800万円、40代前半の管理職候補なら700〜900万円が一つの目安。競合の求人票を調査し、エリア・業種・職種ごとの相場感を把握したうえで提示します。

策2. 役割・裁量を明確に示す

「どんな仕事を任せるか」「どこまで裁量があるか」を求人票で明示します。ミドル層は「また一から下積み」は望まない代わりに、「自分の経験を生かせる役割」「目に見える裁量」を強く求めます。募集要項に具体的なミッション・KPI・決裁範囲を書くだけで応募質が大きく変わります。

策3. 年齢制限を書かず、必要要件を明示

「35歳まで」「40代歓迎」といった年齢表記は雇用対策法で原則禁止ですし、実務上も機会損失になります。代わりに「〇〇の実務経験10年以上」「マネジメント経験3年以上」のように、必要要件を具体的に書きます。これで自然と対象層が絞られ、応募ミスマッチも減ります。

策4. 面接で「環境適応力」を必ず評価

ミドル採用の面接は、スキル確認だけでは不十分です。以下の観点を必ず評価に組み込みます。

  • なぜ前職を辞めるのか(責任転嫁型か、成長意欲型か)
  • 新しい環境・若手メンバーとの関わり方(指導できるが押しつけない柔軟性)
  • 自分より年下の上司との関係構築(経験豊富だから敬われるべき、という前提を持っていないか)
  • 未経験領域への学習姿勢(40代以降も学び続ける意欲があるか)

策5. オンボーディングを丁寧に設計

ミドル層は「即戦力」の響きから、オンボーディングを省略されがち。しかし組織文化・社内ツール・人間関係のキャッチアップは若手以上に必要です。入社後3ヶ月の伴走プラン(1on1、社内用語集、キーパーソンとの顔合わせ)を最初から組み込むことで早期離職を防げます。

策6. 既存社員との「期待値調整」を事前に

年上・経験豊富なミドルが入社することで、既存の若手・管理職との摩擦が起きることがあります。入社前に既存社員にも「どんな役割で、どこを任せる予定か」を共有し、既存組織の期待値も調整しておきます。

業種・職種別:ミドル採用ホットエリア

DX推進・デジタル人材

中小企業のDX需要が急増する中、ITベンダー出身のミドル層が引く手あまたの状況です。コンサル経験・プロジェクトマネジメント経験を持つ40代〜50代前半は特に求人倍率が高騰。「業界経験+DXの橋渡し」ができる人材はプレミアム価格で動いています。

営業・事業開発

法人営業の中でも、決裁層への提案・アライアンス構築ができるミドルの需要は強い。特にBtoB SaaS、コンサル、ヘルスケアなど新規市場拡大中の分野で40代営業責任者の求人が活発です。

製造・品質・生産管理

熟練技能が必要な製造現場では、40代後半〜50代のベテラン技術者がむしろ歓迎されます。後進育成まで期待される求人が多く、経験の厚みが給与水準にも反映されやすい領域です。

バックオフィス(経理・人事・総務)

人事制度改定・労務管理・経理のDX化に対応できる経験豊富なバックオフィス人材のニーズも急増。特に社労士・税理士資格保有者、大手出身の人事責任者経験者はミドル層でも市場価値が高いままです。

地方・中小企業の経営幹部候補

後継者不足や経営幹部層の高齢化を背景に、ミドル層を経営幹部候補として採用する動きが地方企業で強まっています。UIJターンや副業型の登用など、働き方の柔軟性を組み合わせた設計が成功の鍵です。

ミドル採用を加速する3つの採用チャネル

1. ダイレクトリクルーティング

ビズリーチ・LinkedInなどを使ってミドル層に直接スカウトするダイレクトリクルーティングは、ミドル採用の主戦場です。スカウトメールの質(具体的な評価ポイント・役割・処遇)が応募反応率を大きく左右します。

2. ミドル特化型のエージェント

ミドルの転職・JAC Recruitment・MS-Japanなどミドル層に強いエージェントとの連携は、即戦力獲得の王道です。エージェントに渡す求人票の質・面談回答の速度・フィードバックの丁寧さで、紹介される候補者のレベルが変わります。

3. リファラル採用

既存社員からの紹介(リファラル)も、ミドル採用では最も定着率が高いチャネルです。紹介者ボーナスの設計・リファラルガイドの整備・既存社員への周知を制度化することで、継続的な採用導線になります。

AI × ミドル採用:次の3年で起こること

採用市場は今、AIによる大変革期に入っています。ミドル採用にも次の3つの変化が起きます。

変化1. AIスクリーニングの精度向上

AIによる職務経歴書の自動解析・スキルマッチングが高度化し、ミドル層の多様な経歴を客観的に評価できるようになります。これにより、年齢フィルタよりも「実績・役割・成果」フィルタによる採用が主流化します。

変化2. 面接の一次対応がAIエージェント化

AIエージェントが一次面接・事前質問・日程調整を担うことで、採用担当者は戦略的な意思決定に集中できるようになります。ミドル層ほど「採用プロセスの速さ」を重視するため、AI活用で選考期間を短縮できる企業が勝ちます。

変化3. ミドル自身がAIスキルで差別化

ミドル層のうち「AIを使いこなせる層」と「AIに代替される層」の二極化が進みます。採用企業にとっては、AIリテラシーを面接で評価する基準を明文化することが、質の高いミドル採用の条件になります。

まとめ:ミドル採用は「戦略×設計×運用」

81%のコンサルが予測するミドル採用増は、「待てば勝手に良い人材が来る」ことを意味しません。むしろ若手並みに激しい獲得競争の時代です。採用企業の勝ち筋は以下の7点に集約されます。

  • 給与テーブルを家庭持ちミドル基準で設計
  • 役割・裁量・ミッションを求人票で具体明示
  • 年齢制限ではなく経験要件で絞り込み
  • 環境適応力を面接で必ず評価
  • オンボーディング3ヶ月の伴走プランを用意
  • ダイレクト・エージェント・リファラルの3チャネル併用
  • AI採用DXと連動させて選考速度・精度を高める

株式会社Sei San Seiでは、RPaaS(AI採用代行)でミドル層に強い求人設計・ダイレクトリクルーティング運用をご支援しています。またMINORI Agent(人材紹介)ではミドル層の即戦力人材をご紹介、転職どうでしょうでは求職者側のキャリア相談も受けており、採用企業と求職者の双方向を把握したうえで最適なマッチングを実現しています。「ミドル採用を本格化したいが、どこから着手するか分からない」という経営者の方は、現状の求人票・採用フロー診断からお手伝いします。

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