AI活用 2026.07.30

Ollamaとは?ローカルLLMを無料で動かす使い方——導入手順・モデルの選び方・企業利用の注意点

Ollamaの使い方とローカルLLM導入手順

「社内のデータをChatGPTに入れるのは不安。でもAIは使いたい」——この悩みへの現実的な答えのひとつが、AIを自分のPCの中で動かす「ローカルLLM」です。そして、ローカルLLMを動かすツールとして事実上の定番になっているのがOllama(オラマ)です。

Ollamaは無料で使え、コマンド1行でAIモデルのダウンロードから実行までできてしまいます。本記事では、Ollamaとは何かという基本から、インストールと使い方の手順、モデルの選び方、そして企業で使う場合のメリットと注意点までを、専門知識のない方にも分かるように解説します。

Ollamaとは——ローカルLLMを動かす無料の定番ツール

Ollamaは、GoogleのGemmaやMetaのLlamaといった公開されているAIモデル(オープンモデル)を、自分のPCやサーバー上で動かすためのツールです。Windows・Mac・Linuxに対応し、無料で利用できます。

通常、ChatGPTなどのAIサービスは、入力した文章を事業者のクラウドに送信して処理します。これに対してOllamaを使ったローカルLLMは、すべての処理が自分のPC内で完結します。つまり、プロンプトも回答も一切外部に送信されません。

Ollamaが定番になった理由は、その手軽さにあります。

  • 導入が簡単:公式サイトからインストーラーをダウンロードして実行するだけ
  • モデルの入手も1行:コマンドを1行打てば、モデルのダウンロードから起動までを自動でやってくれる
  • 無料・オープンソース:ツール自体の利用料はかからない
  • 進化が速い:2026年にはコマンド一つで対話型エージェントを起動できる機能や、ローカルで動かしきれない大型モデルを同じ操作感で使えるクラウドモデル対応も加わり、単なる実行ツールからAI活用の基盤へと発展しています

Ollamaの使い方——インストールから実行まで3ステップ

実際の導入は驚くほど簡単です。大きく3ステップで完了します。

ステップ1:インストール

公式サイト(ollama.com)からお使いのOS用のインストーラーをダウンロードし、実行します。Windowsなら通常のアプリと同じ手順でインストールが完了します。

ステップ2:モデルを実行する

ターミナル(Windowsならコマンドプロンプト)を開き、次の1行を入力します。

ollama run gemma4:e4b

初回はモデルのダウンロードが自動で始まり、完了するとそのまま対話が開始できます。日本語で質問すれば日本語で答えてくれます。終了したいときは /bye と入力するだけです。

ステップ3:モデルを管理する

複数のモデルを試したくなったら、以下の基本コマンドを覚えておけば十分です。

  • ollama list:ダウンロード済みモデルの一覧を表示
  • ollama pull モデル名:モデルをダウンロードだけしておく
  • ollama rm モデル名:不要になったモデルを削除(ストレージ節約)

Gemma 4を使った具体的なセットアップ手順は、Gemma 4の使い方|Ollamaでローカル実行する手順で画面の流れも含めて詳しく解説しています。

モデルの選び方——PCスペックと用途で決める

Ollamaで使えるモデルは公式ライブラリに多数登録されており、GoogleのGemma 4シリーズ、MetaのLlama系、AlibabaのQwen3、DeepSeek系など主要なオープンモデルが揃っています。2026年にはMoonshot AIのKimi系コーディングモデルといった最新モデルの追加も続いています。

選び方の基本は、PCのメモリ(またはGPU)とモデルサイズのバランスです。

  • まず試すなら小型モデル(2〜4Bクラス):メモリ8〜16GBの一般的なノートPCでも動作。Gemma 4 E2B/E4Bなど、小型でも日常的な文章作成・要約には十分な性能
  • 本格利用なら中型モデル(7〜14Bクラス):メモリ16〜32GB推奨。回答の精度と速度のバランスが良い
  • 高精度が必要なら大型モデル(26B以上):高性能GPUまたは32GB以上のメモリが必要。クラウドAIに近い受け答えが可能

日本語で業務利用するなら、まずはGemma 4シリーズから試すのがおすすめです。サイズ別の性能差と選び方はGemma 4のサイズ別比較で詳しく整理しています。

企業利用のメリット——データが外に出ない・コストがかからない

Ollamaによるローカル LLMが中小企業にとって魅力的な理由は、大きく3つあります。

  • 情報漏洩リスクを構造的に断てる:入力データがすべてPC内で処理されるため、顧客情報や社内機密を扱う業務でも、データが外部の事業者に渡る心配がありません。設定次第では完全オフラインでも動作します
  • ランニングコストがゼロ:一度モデルをダウンロードすれば、何回使っても利用料はかかりません。従量課金のAPIと違い、大量の文書処理でもコストを気にせず回せます
  • ネット環境に依存しない:オフラインで動くため、通信環境が不安定な現場や、外部接続が制限された環境でも利用できます

特に1点目は、クラウドAIでは規約や設定の確認が必要だった部分を「そもそもデータが出ていかない」形で解決できるのが強みです。社内データを守るAI活用の全体像はオンプレAIとはでも解説しています。

注意点——「ローカルだから安全」の思い込みは禁物

一方で、Ollamaの企業利用には押さえておくべき注意点もあります。

  • 性能はクラウド最上位モデルに及ばない:ローカルで動くサイズのモデルは、ChatGPTやClaudeの最上位モデルと比べると複雑な推論や長文処理で見劣りします。高度な処理はクラウド、機密データはローカル、という使い分けが現実的です
  • 公開設定の事故に注意:OllamaはAPIサーバーとしても動作します。設定を誤ってこのAPIをインターネットに公開してしまい、外部から誰でもアクセスできる状態になっている事例が実際に報告されています。社内ネットワークの外に公開しない設定を必ず確認してください
  • モデルごとのライセンス確認:Ollama自体は商用利用可能ですが、動かすモデルには各社の利用規約(Gemmaの利用規約、Llamaのコミュニティライセンス等)が別途適用されます。業務利用の前に必ず確認しましょう
  • 社内ルールはローカルでも必要:ローカルだから何をしてもよいわけではありません。生成物の取り扱いや利用範囲のルールは、クラウドAIと同様に定めておく必要があります。生成AIの情報漏洩対策も参考にしてください

発展形——エージェント連携や自社チャットボットへ

Ollamaは「手元でAIと対話する」だけのツールではありません。APIを通じて他のシステムと連携できるため、発展的な使い方が広がっています。

  • MCP連携でローカルAIエージェント化:ファイル操作や外部ツールとの連携を組み合わせ、ローカル完結型のAIエージェントを構築できます(Ollama×MCPでローカルAIエージェント構築
  • 自社データでの追加学習:LoRAという手法で、自社の業務知識をモデルに追加学習させる応用もあります(Gemma 4をLoRAでファインチューニング
  • 社内チャットボットの頭脳に:小型モデルを社内サーバーで動かし、問い合わせ対応や文書検索のバックエンドにする構成は、コストとセキュリティの両面で有力です

当社でも、Gemma 4の小型モデルとOllamaを組み合わせた社内向けチャットボットの検証を行っており、「月額費用ゼロで動く社内AI」の実用性は年々高まっていると感じています。

まとめ:ローカルLLMの入口としてOllamaは最有力

  • Ollamaは、オープンなAIモデルを自分のPCで動かすための無料ツール。ローカルLLM実行環境の事実上の定番
  • 導入はインストール+コマンド1行の3ステップ。専門知識がなくても始められる
  • モデルはPCのメモリに合わせて選ぶ。まずは8〜16GBで動く小型のGemma 4から
  • データが外部に出ない・利用料ゼロ・オフライン動作が企業利用の三大メリット
  • ただし性能の限界、API公開設定の事故、モデルごとのライセンスには注意。ローカルでも社内ルールは必要

株式会社Sei San Seiでは、クラウドAIとローカルLLMの使い分けを含む、中小企業のAI活用をご支援しています。実践形式のAI研修「MINORI Learning」では、自社の業務とセキュリティ要件に合ったAI環境の選び方から社内ルールづくりまでを扱います。「社外にデータを出さずにAIを使いたい」という企業様は、お気軽にご相談ください。

よくある質問

Q1. Ollamaとは何ですか?無料で使えますか?

Ollama(オラマ)は、Gemma・Llama・Qwenなどのオープンな大規模言語モデル(LLM)を自分のPCやサーバー上で動かすための無料ツールです。Windows・Mac・Linuxに対応し、ツール自体はオープンソースで公開されています。コマンド1行でモデルのダウンロードから実行までできる手軽さが特徴で、ローカルLLM実行ツールの事実上の定番になっています。

Q2. 動かすのに必要なPCスペックは?

動かすモデルのサイズによります。目安として、2〜4Bクラスの小型モデルならメモリ8〜16GBの一般的なノートPCでも動作します。7〜14Bクラスは16〜32GB、26B以上の大型モデルは高性能GPUや32GB以上のメモリが推奨です。まずは小型モデルで試し、用途に応じてサイズを上げるのが現実的です。

Q3. ChatGPTとの違いは何ですか?

最大の違いは処理が行われる場所です。ChatGPTは入力データを事業者のクラウドに送信して処理しますが、Ollamaは自分のPC内で処理が完結するため、データが外部に送信されません。一方、ローカルで動くモデルの性能はクラウドの最上位モデルには及ばないため、機密性の高い業務はローカル、高度な処理はクラウド、という使い分けが現実的です。

Q4. 商用利用はできますか?

Ollama自体は寛容なオープンソースライセンスで提供されており商用利用が可能です。ただし、その上で動かす各モデルにはそれぞれ別のライセンス(Gemmaの利用規約、Llamaのコミュニティライセンス等)が適用されます。業務利用の際は、使うモデルごとのライセンス条件を必ず確認してください。

Q5. どんなモデルが使えますか?

GoogleのGemma 4シリーズ、MetaのLlama系、AlibabaのQwen3、DeepSeek系など、主要なオープンモデルが公式ライブラリから利用できます。2026年にはMoonshot AIのKimi系コーディングモデルなど最新モデルの追加も続いており、モデルの選択肢は増え続けています。日本語で業務利用するなら、まずGemma 4シリーズから試すのがおすすめです。

高橋 央

この記事の執筆者

高橋 央株式会社Sei San Sei 代表取締役CEO

株式会社リクルートキャリア(当時)にて地方転職のノウハウを社内外に共有し、北海道をはじめとする地方転職市場の拡大に寄与。2020年にベンチャー企業で人事責任者・子会社取締役を経験したのち、2023年1月に株式会社Sei San Seiを設立。DX・HR領域のサービスを展開。著書に『仕事や将来に迷った時に、若手キャリア層のこれからの描き方』がある。

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