採用支援 2026.08.03

秋採用とは?中小企業が新卒・第二新卒を採用する戦略——2026年のスケジュールと成功のポイント

秋採用で新卒・第二新卒を採用する中小企業の戦略

「春の採用活動では1人も採れなかった」「内定を出したのに辞退されて枠が空いたまま」——毎年夏の終わりに、こうした悩みを抱える中小企業は少なくありません。実は、そこからが本番です。秋採用は、大手企業の採用活動が一段落し、中小企業が新卒・第二新卒に出会える数少ないチャンスの時期だからです。

本記事では、秋採用の基本とスケジュール、春採用との違い、そして中小企業が秋採用で成果を出すための5つの戦略を解説します。8月のいま準備を始めれば、9月からの動き出しに十分間に合います。

秋採用とは?——9月〜12月に行う新卒採用活動

秋採用とは、一般に9月から12月にかけて行う新卒採用活動を指します。春から夏にかけての採用活動(いわゆる本選考期)で就職先が決まらなかった学生や、事情があって就職活動の開始が遅れた学生が主な対象です。

秋の市場に残っている学生は、大きく次の4タイプに分かれます。

  • 納得のいく内定が得られなかった学生:大手志向で挑戦を続けた結果、秋まで活動が長引いたケース
  • 内定辞退で再スタートした学生:内定は得たものの、入社への迷いから活動を再開したケース
  • スタートが遅れた学生:留学、部活動、研究、公務員試験からの民間切り替えなど、明確な理由で秋から動き出すケース
  • 秋卒業の学生・既卒者:9月卒業の留学組や、卒業後も就職活動を続ける既卒者

「秋まで残っている学生は質が低いのでは」という見方は、半分誤解です。留学組や公務員試験組のように、スケジュールの都合で秋に動いているだけの意欲的な学生が一定数含まれており、こうした層は春には市場に存在しなかった人材です。

なぜ中小企業に秋採用がチャンスなのか——3つの理由

新卒市場は長らく売り手市場が続いており、従業員規模の小さい企業ほど求人倍率が高い——つまり中小企業にとって新卒採用は構造的に不利な状況です。リクルートワークス研究所の大卒求人倍率調査でも、従業員300人未満の企業の求人倍率は全体平均を大きく上回る水準が続いています。それでも秋採用には、春にはない追い風があります。

  • 理由1:大手企業との競合が減る——大手の多くは夏までに採用を終えるか、秋は内定者フォローに軸足を移します。春には比較対象として立ちはだかった大手が、秋の選考テーブルにはいません
  • 理由2:学生の意思決定が速い——卒業までの残り時間を意識している学生は、条件が合えば短期間で入社を決断します。春のように「他社の結果を待ちたい」と保留されることが減ります
  • 理由3:1人ひとりに向き合う中小企業のスタイルが活きる——秋の学生は効率よく、かつ真剣に企業を探しています。説明会で大人数を集めるのではなく、個別に丁寧に向き合う選考は、まさに中小企業が得意とするやり方です

なお、秋は新卒だけでなく転職市場でも若手が動く時期です。入社半年を迎えた第二新卒が環境の見直しを考え始めるタイミングでもあるため、新卒枠にこだわらず「若手ポテンシャル採用」として設計すると母集団はさらに広がります。

秋採用のスケジュール——8月の準備が9月を決める

秋採用は期間が短いぶん、事前準備の差がそのまま成果の差になります。標準的なスケジュールは次のとおりです。

  • 8月:準備期——採用要件の再定義、求人票の更新、選考フローの短縮設計、大学キャリアセンター・ハローワークへの求人提出
  • 9月〜10月:母集団形成・選考期——学内合同説明会、ダイレクトリクルーティング、カジュアル面談、面接
  • 11月〜12月:クロージング・フォロー期——内定出し、内定者フォロー、入社前の関係構築

特に重要なのが選考フローの短縮です。春と同じ「エントリーシート→適性検査→面接3回」の流れでは、結果が出るまでに学生が離脱します。秋採用では「カジュアル面談→面接1〜2回→内定」のように、応募から内定まで2週間以内を目安に設計し直しましょう。

秋採用を成功させる5つの戦略

戦略1:大学キャリアセンターとハローワークを使い倒す

秋の学生は、ナビサイトよりも大学のキャリアセンターや新卒応援ハローワークに相談に来ます。採用したい学部・学科のある大学に求人票を提出し、可能であればキャリアセンターの担当者に直接挨拶しておくと、学生への紹介につながりやすくなります。いずれも費用がかからず、中小企業がまず打つべき手です。

戦略2:ダイレクトリクルーティングで攻める

秋は「待ち」の採用が機能しにくい時期です。逆求人型サービスで学生のプロフィールを検索し、企業側からスカウトを送るダイレクトリクルーティングは、母集団の小さい秋にこそ効果を発揮します。スカウト文面は定型文ではなく、その学生のどこに注目したかを一言添えるだけで返信率が変わります。

戦略3:カジュアル面談で入口のハードルを下げる

春の就職活動で疲弊した学生にとって、いきなりの「面接」は心理的負担が大きいものです。選考の前にカジュアル面談を挟み、仕事内容や職場の雰囲気を率直に伝える場をつくることで、応募のハードルが下がり、入社後のミスマッチも減らせます。

戦略4:選考体験(採用CX)を磨いて辞退を防ぐ

秋採用は1人の辞退のダメージが春より大きいため、採用CX(候補者体験)の設計が欠かせません。連絡は24時間以内、面接では見極めと同じ比重で動機づけを行い、内定後は放置せず定期的に接点を持つ。内定辞退を防ぐ実務対策で解説しているとおり、内定から入社までの期間が短い秋こそ、密度の高いフォローが効きます。

戦略5:採用業務の負担をAI・外部リソースで軽くする

秋採用の最大の敵はスピード不足ですが、中小企業の人事担当者は他業務との兼任がほとんどです。スカウト送信、応募者対応、日程調整といった定型業務に追われて選考が遅れるくらいなら、AIや採用代行の活用で実務を外に出し、担当者は面接と口説きに集中する体制をつくるほうが合理的です。

まとめ:秋採用は「準備の早さ」と「選考の速さ」で決まる

  • 秋採用は9月〜12月の新卒採用活動。大手との競合が減り、中小企業が新卒に出会える貴重な機会
  • 秋の学生には留学組・公務員試験組など、春には市場にいなかった意欲的な層が含まれる
  • 8月中に求人票・選考フロー・受け入れ体制を整え、9月の動き出しに備える
  • 応募から内定まで2週間以内のスピード選考と、丁寧な採用CXで辞退を防ぐ
  • 第二新卒も含めた「若手ポテンシャル採用」として設計すれば母集団はさらに広がる

株式会社Sei San Seiでは、AI採用代行「RPaaS」で、スカウト配信・応募者対応・日程調整といった採用実務を代行し、担当者様が候補者との対話に集中できる体制づくりをご支援しています。また、人材紹介「MINORI Agent」では入社後の定着・活躍まで見据えたマッチングを行っています。「秋採用で今年こそ若手を採りたい」という企業様は、お気軽にご相談ください。

よくある質問

Q1. 秋採用とはいつからいつまでの採用活動ですか?

秋採用は一般に9月から12月にかけて行う新卒採用活動を指します。夏までの採用活動で内定に至らなかった学生や、部活動・留学・公務員試験などで就職活動の開始が遅れた学生が主な対象です。企業側は8月中に求人票や選考フローを整え、9月の動き出しに備えるのが理想的なスケジュールです。

Q2. 秋採用と春採用(通常の新卒採用)の違いは何ですか?

春採用は母集団が大きい一方、大手企業との競合が激しく、中小企業は埋もれやすい時期です。秋採用は市場に残る学生の数こそ減りますが、大手の採用活動が一段落しているため競合が少なく、就職先を真剣に探している学生に出会いやすいのが特徴です。選考スピードと個別対応の丁寧さが成果を左右します。

Q3. 秋採用に応募してくる学生は質が低いのではないですか?

そうとは限りません。秋まで就職活動を続けている学生には、留学や研究、部活動、公務員試験からの切り替えなど、明確な理由を持つ人が多く含まれます。大手志向で納得のいく結果が出なかっただけで、能力や意欲が高い学生も少なくありません。経歴の空白ではなく、志望動機と入社後の活躍イメージで見極めることが重要です。

Q4. 中小企業が秋採用で母集団を集めるにはどうすればよいですか?

大学のキャリアセンターへの求人票提出、新卒応援ハローワークの活用、逆求人型のダイレクトリクルーティング、カジュアル面談の導入が有効です。秋は学生側も効率的に企業を探しているため、ナビサイトで待つより、企業側から個別に声をかける攻めの手法のほうが成果につながりやすい時期です。

Q5. 第二新卒も秋採用の対象になりますか?

対象になります。秋は新卒だけでなく、入社半年前後で環境の見直しを考え始める第二新卒が動き出す時期でもあります。新卒枠と中途枠を分けず「若手ポテンシャル採用」として募集要件を設計すれば、母集団を広げられます。第二新卒は基本的なビジネスマナーを備えている場合が多く、早期戦力化も期待できます。

高橋 央

この記事の執筆者

高橋 央株式会社Sei San Sei 代表取締役CEO

株式会社リクルートキャリア(当時)にて地方転職のノウハウを社内外に共有し、北海道をはじめとする地方転職市場の拡大に寄与。2020年にベンチャー企業で人事責任者・子会社取締役を経験したのち、2023年1月に株式会社Sei San Seiを設立。DX・HR領域のサービスを展開。著書に『仕事や将来に迷った時に、若手キャリア層のこれからの描き方』がある。

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